目指す生徒像
- 自分を省みて新たなるものを創造する心をもつ生徒
- 平凡であるが英知の人 静かであるが深い人 優しいが強い人
自己観察教育 ―開校以来の教育理念―
創立者近藤ちよ先生が確立した独自の「自己観察教育」は、内観法(現代に即した自己観察法)を基盤とした「黙想」・「対話教育」・「茶道教育」を3つの柱として構成されています。
この自己観察教育こそが、躍進を続ける本校の進学実績の基(もとい)となっています。
黙想
自分の心の内と静かに向き合う。“心を耕す営み”
授業だけでなくすべての学校活動の始めに、一斉に姿勢を正し、息を整え、黙想を行います。
今朝、登校前に父母や兄弟に対してとった言動はどうだったろうか、親切にしてもらったことに感謝の心を忘れていないだろうか、といったように自分の心の内と静かに向き合います。多感な時期である中・高校生の時期に、3年間(6年間)を通して静かに自分を見つめる時間を続けていくうちに、集中力がつき、事にあたって冷静さを保つ習慣を身につけることができます。学ぶ心、感謝する心、詫びる心を培い、その後の人生を豊かにする、まさに“心を耕す営み”です。
目まぐるしく変化していく社会のなかでも、自律的で指導的地位にふさわしい姿へと生徒を成長させてゆきます。
対話教育
コミュニケーション力を育む
教師と生徒、また生徒同士が学校生活全般で温かい対話の場を持つように意図した教育活動で、コミュニケーション能力向上を目的としています。コミュニケーション能力は座学で身に付くものではありません。また、自己は他者との相互関係によって形作られます。
日常生活の中で、最も身近な対話は挨拶です。校内のいたるところで交わされる爽やかな挨拶が、お互いの人間関係を作るきっかけになります。対話を通して、相手の話をよく聞き、自分のものの見方・考え方を冷静に比べ相互向上に近づいていく方法を学びます。
茶道教育
心身の動と静のバランスを育む
茶道が目指す「和敬清寂」、すなわち和し合う心・敬い合う心・気持ちを静める心・動じない心に通底する精神は、まさに「自分を省みて新たなるものを創造する心をもつ」という本校が目指す生徒像に通じるものです。
また、千利休は「茶の湯とは、ただ湯をわかし、茶をたてて飲むばかりなる事と知るべし」と言ったといわれます。平凡の中に厳しい道を説いています。ここにも本校が目指す生徒像と茶道の精神と重なるものがあります。
高校3年生で、にじり口まで備えた本格的な茶室「悠久庵」にて、週1回茶道の授業を行います。様式にしたがってお茶をたて、静けさのうちに味わう。こうした日本の伝統文化に触れ「和敬清寂」の精神を体得することで、社会人として必要な豊かな人間性と国際性を培うことができます。「正教授」という栄誉ある称号を授与された指導者の下で、全員が「茶道裏千家初級許状」を手に卒業することができるのも本校の特色です。