2023年3月18日、令和4年度全日本漢詩大会全日本漢詩連盟設立二十周年記念大会が行われ、学生の部において本校の漢詩俳句同好会から下記の3名の生徒が表彰されました。
U18奨励賞最優秀賞 3年A組 上利 真之
初秋
金風孤雁砌蛩寒 金風孤雁 砌蛩寒し
修竹桂花懐旧歓 修竹桂花 旧歓を懐ふ
銀漢無雲秋漾漾 銀漢雲無く 秋漾漾たり
玲瓏玉魄過峰巒 玲瓏たる玉魄 峰巒を過ぐ
【大意】
秋風に一羽の雁が飛びコオロギの声に涼しさを感じる
長い竹や金木犀の香りに昔の喜びを懐かしむ
天の川には雲がかかっておらず秋の気配が徐々に近づいている
透き通った美しい月が高い山々の峰を通り過ぎていく
U18奨励賞優秀賞 既卒生 横尾 裕介
冬月
故園冬月薄寒天 故園の冬月 薄寒の天
明鏡湖頭一釣船 明鏡湖頭 一釣の船
峻嶽長風吹落葉 峻嶽の長風 落葉を吹く
寂寥幽巷晩鐘伝 寂寥たる幽巷 晩鐘伝ふ
【大意】
冬の故郷に月が浮かび空は曇って寒さを感じる
鏡のような湖に船が一つ浮かぶ
険しい山から吹き下ろす風で葉は落ちる
静かで寂しい村に夜の鐘が鳴り響く
U18奨励賞入選 3年A組 眞澤 亮太
初冬偶成
北風枯草入冬時 北風の枯草 冬に入るの時
凍雨開爐寫小詩 凍雨に炉を開き 小詩を写す
寂寞書窓霜信早 寂寞たる書窓に 霜信早く
黄昏残菊夢成遅 黄昏の残菊 夢成ること遅し
【大意】
北風が吹き草は枯れて冬に入るころ
冷たい雨が降り続ける中、囲炉裏端で詩を書いている
さみしさに溢れた書斎の窓から見える霜の訪れは早いが
夕闇に映る残菊のように私の夢の実現はまだまだ先のことである