2024年12月7日(土)、熊本市中央区の国際交流会館にて開催された「第9回漱石記念漢詩大会」(主催:漱石記念漢詩大会実行委員会)において、本校漢詩俳句同好会の生徒2名が若年奨励賞を受賞しました。
熊本の地・肥後には、天下にその名を轟かせた藩校「時習館」があり、多くの漢詩文の学者を輩出してきました。横井小楠、竹添井井、徳富蘇峰、狩野君山、宇野哲人など、多士済々の人材が漢詩文化の発展に貢献しています。また、夏目漱石は第五高等学校の英語教師として約4年間熊本で過ごし、幼少期から漢籍に親しんでいたことでも知られています。
平成28年(2016年)は、漱石が熊本に赴任してから120年、没後100年にあたる節目の年であり、これを記念して第1回漱石記念漢詩大会が開催されました。それ以来、毎年開催されており、本大会は第9回目となります。
受賞した生徒たちは、それぞれの作品に独自の感性と表現力を込め、見事に高い評価を得ることができました。日頃の学習の成果を発揮し、このような栄誉ある賞を受賞できました。
今後も、本校では漢詩をはじめとする文学活動を支援し、生徒たちの創造力を伸ばす機会を大切にしていきます。受賞した生徒の皆さん、本当におめでとうございます!
受賞作品
若年奨励賞 3年C組 木浦千尋
梅霖即事
雨絲環屋竹窗深 雨糸屋を環りて竹窓深し
小院紫陽遊子心 小院の紫陽遊子の心
荷葉蝸牛村路寂 荷葉の蝸牛村路寂たり
一点新霽奏幽琴 一天新霽にして幽琴を奏す
解釈
糸雨が屋を環って竹窓が深い
小院の紫陽遊子の心を思わせる
荷葉の蝸牛や、静かな村路
雨が止み雲間が見え始め、琴を奏でる
若年奨励賞 3年D組 前久保妃菜
對秋山
酸漿金粟滿紅裾 酸漿金粟紅裾に満ち
歸雁寒鴟枯木疎 帰雁寒鴟枯木疎なり
蟋蟀濤聲涼意足 蟋蟀濤声涼意に足り
淸宵玉兎幾盈虛 清宵玉兎幾盈虚
解釈
秋の景色に対して
ホオズキやキンモクセイが着物の裾に付き
帰ってきた雁や寒さを醸す鴟と老木がまだらに生える
コオロギや浪の音が涼しい空気を満たし
清らかな夜に現れる月の兎、それは幾度満ち欠けしたことか
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