平成30年度 学校通信「藤棚」

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平成30年5月 354号
我が国最大の問題としての少子化

 人口が減少しつつあります。地方の田園が崩壊、若しくは消滅しつつあります。
 私は18歳の時、高校を出ると同時に、北海道の湯内(ゆない)という部落に、中学校英語教師として着任しました。駅から歩いて5キロという山奥の学校でしたが、120人の生徒がおりました。今、そこに住んでいる家は、只一軒です。二軒あった店もなくなりました。チラチラ見えていた夜の灯火もすっかりなくなり、月がない晩などは、文字通り「鼻をつままれても分からない」真の闇です。駅もなくなりました。線路もありません。このように田園が滅び去り、一部都市のみが不夜城の呈を為しているのは、考えてみれば空恐ろしい話です。
 都会は田舎に支えられているからこそ、ネオンきらびやかに繁栄し続ける事ができるのです。このように田舎が滅び去って、都市のみが栄えるという状況で、地震その他の天変地異が起こった場合、都市は生き延びることが出来るでしょうか。
 関東地方でも、大規模地震が近づいていると言われます。富士山の噴火も近いものと、学者は判断しています。関東は、他の地域の災害を支援することは出来ても、関東地方が崩壊した場合、これを支援できる他地域はないのではないかと、私は心配しています。
 都市のみが不夜城の如き、繁栄を続ける事ができるのは、それを支える田園が存在するからです。
 フランスは、何かと政情不安を、否定できない国ですが、それでもフランスが安定しているのは、フランスが農業国だからです。あの広大なフランスの田園に接したとき、私はフランスの本当の偉大さを実感しました。
 我が国、田園荒廃の最大の原因、それは人口減少にあります。
 フランスもイギリスも、若年人口の多いことが報告されています。ですから、両国共に家賃は極めて高く、地価は上昇し続けているのに「バブルの崩壊」が起きたりはしないのです。
 今すぐ、国家最大の問題としての少子化傾向の解決に取り組まなくてはなりません。仮に、子供が一人しか生まれないとすれば、やがてその子が結婚するときには、新郎と新婦が、合わせて二件の家を相続することになります。不動産(土地と建物)の価格が暴落するのは当たり前の話なのです。
 夏目漱石の家は大金持ちでしたが、子供は八人でした。八人もいたら、親も、一々面倒を見たりすることは出来ません。勢い、年上の子供が年下の子供の面倒をみる事になります。親も「兄や姉」に、育児の責任の相当部分を任せ、一番幼い子供や、その直ぐ上の子供の面倒をみることに、力を入れなくてはなりません。親も賢くなるし、子供も健康に育つのです。
 昔は、背中に弟妹を背負って(おんぶして)遊ぶ子供の姿が、ごく当たり前でした。このようにして、「親も子も」育ったのです。
 近頃は、政府が先頭に立って、「女性の職場進出」の重要性を強調します。でも、それは本当に正しいのでしょうか。育児、家政における女性本来の価値、力量は、そう簡単に否定し去って良いものなのでしょうか。
 漬け物 酒 味噌 醤油、考えてみれば、旨い物はすべて酵母で出来ています。そのような酵母に基礎を置く日本料理の良さのほとんどは、女性の社会進出の名の下に滅び去って行ってしまったのではないでしょうか。
 古いが「良妻賢母」という言葉がありました。これを「古い」として捨て去ることにも一理はあるのですが、私は、「盥の水と一緒に、赤ん坊まで流し去ってしまう」危険はないのかと、心配になります。
 政府は「少子化対策」を口にしますが、ものになった試しがありません。少子化傾向は、ますます深刻なものになりつつあるのです。田園が滅びるとき、都市も又、確実に崩壊するのだという事実を、明日、国家を担う中、高校生諸君には、理解しておいて頂かねばなりません。
 少子化の最大の原因、それは誰もが学習塾に通うようになった社会慣習にあると私は思います。ひとり、年間60万円の支出は、少子化最大の原因です。文部科学省に、これを憂慮する傾向は全くありません。
 次に憂慮すべき問題は、晩婚化、結婚忌避(きひ)の傾向増大にあります。
 個人的にヨーロッパへ飛んだとき、双子を抱えたお母さんが乗り込んできました。日本人です。席を二つ取り、お母さんは、時にむずかったり、泣いたりする赤ん坊と「格闘」していました。私は時々目を覚まして様子を見ていたのですが、お母さんは、ロンドンに着くまで、一睡もしなかったようです。若いお母さんでした。私は「若くなければできない仕事だな」と、心の奥底深く、ひそかな感動を味わいました。
 出産、育児には体力が必要です。できれば17,8歳の体力旺盛なときこそ、出産に最も適しているのです。
 女性のほとんどが大学に進学します。卒業するときには、すでに22歳です。就職し、仕事に慣れてからと思ううちに30を過ぎてしまいます。
 これについても、様々な対処法はあります。私は大学時代の結婚、出産が可能なように、国家全体の態勢を改善することも、ひとつの方法だと思います。
 結婚制度があるから、人類が存在するのであって、婚姻の重要性は、もっともっと強調して行かねばなりません。子供を抱える若い母親の職場進出が可能になるよう、政治そのもの、社会体制そのものを変える必要もあります。
 その一方で、家事、家政に専念する妻、母親の存在の、社会的意義の大きさも忘れずに強調して行かねばならないと思います。結婚してから大学に行くというのも悪くないと思います。
 田園の荒廃は国家を滅ぼします。それを防ぐには、少子化を防がなくてはなりません。生徒諸君には、結婚の重要性について、改めて認識を深めて頂きたいと思います。

平成30年5月 353号
ゼミ 学年枠の撤廃も一案

 進路指導担当の佐藤先生と話したとき、科目によっては、学年の枠を撤廃しても良いのではないかということが話題になりました。そう言えば、大学では、原則として学年に関係なく授業が行われています。大学院でも、修士課程と博士課程の学生が、一緒にゼミに参加するケースの方が多いようです。
 本校でも、下野先生が、学年に関係のないゼミを、火曜と金曜の二回開いて下さっております。私も、時折聴講しますが、「普通、面白くないはずの数学のレクチャーが、どうしてこれほど魅力的に展開されるのだろう」と驚いています。教師の、底深い実力と個性的魅力の所産なのだろうと思います。講堂で行われているのですが、百人ほど参加しています。学年に関係がないのですから、他の諸君も、これに参加なさったらよいのではないかと思います。自由に参加し、後に下野先生に継続参加を申し出るのも良いでしょう。
 私は旧制の中学校(五年制)に入学し、制度の変更によって、それが、高等学校に変わり、六年間、同じ学校に在学したのです。仲間も先生方も、素晴らしい方ばかりでした。かなりランクの高い学校だったのですが、このような朝ゼミをやって下さる先生など絶無でした。引き比べて、皆さんは、随分恵まれた学習環境に生活しているのだと思います。
 数学に限って考えても、本校には、素敵な先生が沢山指導に当たって下さっております。諸君も、ゼミや授業に積極的に参加することに致しましょう。
 東大 東京工業大に合格した二人の先輩の名前が、垂れ幕で大きく表示されています。「明日は僕の名前が」「明日は私の名前が」と、ひそかに決意している諸君も多いのではないでしょうか。二度と回って来ることのない青春、諸君だけが持つ、その若さを、悔いなく生きるため、自己開発して下さい。

 

 実は山崎校長補佐と私も、下野先生が講義している講堂の、お隣の視聴覚室で、「原書講読」の朝ゼミを行っています。
 テキストは、Love Story を読了して、今は、Gandhi に取り組んでいます。73ページの、比較的薄い原書です。これまでは毎朝だったのですが、生徒諸君も大変だろうと思うので、月曜と土曜だけは休む事にしました。つまり、火曜、水曜が私、木曜、金曜が山崎先生の担当です。テキストは割引で、一冊800円です。山崎先生か私、あるいは校長秘書の大平さんの所に来れば売ってあげます。
 ガンジーは、イギリスからのインドの独立のため、非暴力的手段によって戦い、独立を勝ち取った人です。後、イスラム教を信ずる反対分子によって、拳銃で射殺されました。インドの初代首相ネルー氏は、その弟子です。
 ガンジーが活躍したインド、並びに南アフリカにおける人種差別との戦いの足跡は、今読んでも、血が逆流するほどの怒りを諸君に抱かせるでしょう。アジア、アフリカにおける白人列強の差別、迫害は、それほどに深刻なものだったのです。
 このゼミは、全部で、原書5冊程度を読破することを目標にしています。夏休み前に、あと3冊読まなければなりません。5冊読み終われば、読解に関しては、英検の準一級を獲得できる程度の力がつくと思います。その後はCrownⅠ Ⅱのグラマー(全部で20ページ)の徹底研究もやります。
 諸君が、正規の英語の授業に真剣に取り組み、朝ゼミでの指導に積極的に参加するならば、英検の準一級獲得は確実に可能であると思います。
 会話能力の育成については、私と山崎先生に腹案があります。
 英語科主任の市成先生の指導を受けながら、諸君のために、全力を尽くしたいと思います。
このゼミは、学年に関係のないものとして展開して行きますから、高校三年、二年の諸君の参加をも歓迎します。また中学生であっても、二年生以上であれば、ついて行けるかも知れません。中学生の参加も歓迎します。中学生、高校生、それぞれに頑張って下さい。

 

インフルエンザの校内大流行 終熄

 教職員にインフルエンザが大流行しました。数十人の罹患ですから、学校閉鎖も考えましたが、元気な先生達が、「自分たちで支えるから」とおっしゃるので、閉鎖は慎みました。どうやら蔓延も終熄に向かったようです。
 生徒諸君に大量発生を見なかったのは、せめてもの幸いです。
 徹底した手洗い 徹底したうがい 睡眠 健全な食事 部屋に陽光を入れること、このあたりが、対策として最も有効であるのかも知れません。
 油断せず、生徒諸君は、石鹸を使って、徹底的に手を洗う習慣をつけて下さい。ウイルスは、咽頭部で増殖します。多くの病は、手 口 咽頭を通じて侵入するものと考えなくてはなりません。特に手洗いを励行することは大切です。
 屋内に陽光を取り入れることも忘れてはなりません。太陽はもの凄い力を持っています。
 かって、若者の死亡原因のトップは肺結核でした。日当たりの悪い家、日当たりの悪い部屋にいると結核に冒されることが多いと言われました。
 清瀬市には結核病棟が極めて数多くあり、同時に清瀬市には葬儀屋が極めて多かったのです。医学の進歩により、結核はほぼ絶滅しました。油断はなりませんが、日光 日照は本当に大切なのです。手洗い うがいもね。
 余談ですが、結核が退治された後、清瀬市には児童病院その他の病院が多くなりました。今では、自然豊かで美しく健康な清瀬市を市民は楽しんでいます。

平成30年4月 352号 入学式特別号
入学式辞 要旨

中学 高等学校への入学を心から歓迎
大切なことは、互いに優しくすること
友を得るために心がけるべき事
自分以上に あるいは自分と同じように相手を大切にする事
できる できない 同意する同意しない 常に意思を明確にすること

挨拶をしっかりできる人間に
横からの 後ろからの挨拶を受けたときの清々しさ

民主主義国家の持つ素晴らしさを自覚する
中国 偉大な国家だが都市戸籍と農村戸籍の違いがあると聞く
生活水準も異なる
汚職も厳しく取り締まられているが、汚職追放の最善の道は表現の自由
すべての国が、少しずつ民主主義に向かって進んでいる
表現の自由 政治活動の自由が確立されている我が国の素晴らしさ
更にこれを発展させるために努力を

読書の大切さ
視覚情報が確立されている今日、活字に親しむことは特に大切
「文芸は 実人生の地理歴史」 菊池寛

図書館は原則として365日開館 固定席は設けない
勉強ばかりでなく本も読んで欲しい
中学生には中学校専用図書館

高校生、中学生共に、英語の授業のほかに、沢山の、自分の実力にあった英書を読んで欲しい
数学は大切 どのようにすれば底力をつけられるかを教師に尋ねて欲しい
自学自習は成功のための捷径

ご来賓に感謝
保護者の皆様にご協力を
PTAの役員にも積極的に参加を

 

韓半島の平和 非核化に期待する

         

 一衣帯水と言う言葉があるが、韓半島は我が国に極めて近い。日韓併合に対する韓国人の反発が強いのは理解できるが、京城には京城帝国大学があった。「植民地」に帝国大学を作ったのは、日本くらいのものだろう。少年時代に私は、偉大な韓国人にお会いしたこともあり、朝鮮人を深く尊敬していた。今もその気持ちは変わらない。
 北朝鮮は、人口二千万余の小国だが、ハリモグラのように武装しており、小国にしては厖大な軍事力、生物、化学兵器を備えた大量の特殊工作軍も存在すると伝えられる。
 国内に入り込んで、少なからぬ日本人を拉致、誘拐したことも知られている。中国と急接近した肉親の叔父を処刑し、その手順の中で実の兄をも毒殺した。平和でのんびりした、我々隣国の者に取り、まことに恐ろしい武装国家集団である。
 その北朝鮮が、一転して平和攻勢を仕掛けてきている。どんな平和も戦争よりは尊い。この平和攻勢が、朝鮮半島全体の非核化につながるならば、こんな有り難いこと、こんな嬉しいことはない。
 本当に北朝鮮の指導者は、核戦略を放棄するに至るのであろうか。切にそれを望む。
心配なことがある。アメリカの大統領が、北朝鮮との協議の中で、アメリカに届く大陸間弾道弾さえ廃棄すれば、北朝鮮が核保有国として存続することを容認するだろうとの噂である。
 韓国政府は、北との和解、協調に前のめりになっている気配もある。そもそも、朴大統領ほどの女性に、汚職があった等と言うことを私は信じない。その「摘発」は、巧みに仕組まれた「南北和解」のプロローグだったのではないか。そんな気がしてならない。
 どうも、日米韓、三国の中で、韓国が最も北に好意的であり、アメリカがそれに次いでいる。直接関わることの少ない日本が、北朝鮮に対して、最も苛烈な姿勢を維持しているのではないか、そんな不安を禁ずる事ができない。
 最終的には、全世界の核兵器を廃棄しなくてはならない。いずれ、携帯可能な核兵器が作成されるようになるであろう。それを無責任な暴力集団が握った場合、人類は生き残る事ができないのではないか。
 アメリカ ロシア イギリス フランス 中国 インド おそらくはパキスタンも。これほど核が拡散する中で、人類は本当に存続し続ける事ができるのであろうか。「辛うじて責任を維持できる大国」の核兵器は、小国の核兵器を完全廃棄するために役立て、最終的には、世界のすべての核兵器を廃絶させること、これが、人類存続の唯一の手段なのであろう。
 私は、蟻の集団的社会生活や、蜂の見事な巣作りを見ていると、その背後に、神の存在を感じるが、若しかして、この聡明な昆虫は、かって高度の文明社会を形成し、核の活用まで発展し続けたところで、核戦争により、すべてを失い、その残影が、このような形で残っているのではないかと考えるときがある。
 勿論、妄想なのだが、世界の現状を見るとき、本当に人類が、後、百年を生き続けることができるであろうかと思うと、暗い気持ちになる。一次大戦後21年で二次大戦が始まった。二次大戦が終わって以来73年になる。平和は何としても守り抜かねばならぬ。

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