2020(令和2)年度 学校通信「藤棚」

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令和2年4月 380号
2020入学式辞

 「武漢発コロナウイルス」が猖獗(しようけつ)を極める中で、ご来賓を招かず、保護者のご参加も頂かず、学園理事も出席しないという形の入学式を行わねばならぬ事態に立ち至りました。まことに遺憾な次第ですが、都内からの通学生も多い埼玉県としては、まことにやむを得ぬ仕儀であると思います。
 入学式も、県立高校への知事の指示に準拠し、一つの会場で儀式を行うのではなく、入学生それぞれが、各教室に分散し、窓も開け放って通風換気を維持し進める形を取ります。儀式そのものも、テレビ放送で行わねばならないと言うことは、校長としてまことに無念でありますが、これも、ウイルスとの戦いのため、やむなき仕儀とご寛恕下さい。
大東亜戦争が終結して75年になりますが、幸いに、この期間、世界は全面戦争に立ち至ることなく、局地紛争、宗教による内戦は別として、世界的大戦争は免れることができました。しかし世界は、この後、細菌戦、情報戦等の災厄に、悩まされるのではないかと憂慮されます。
 他国に比し、日本が、目下の所は、損害の急拡大を比較的防げているのは、特に医療関係の方々の質の高さ、死をも恐れぬ犠牲的精神のおかげであると私は思います。
 本日の入学生の中からも、このように志操の高い医療関係の人材が輩出されることを、私は期待いたします。
 高等部・中等部双方の入学生諸君に、強く自覚していただきたいと思います。それは、人間には、生まれついての能力差はないということです。本校の生徒は、資質的に高く、人間としても高潔でありますが、どうも大志に欠ける一面があるのではないかということを私は憂慮いたします。
 本校にはⅠ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ類と、それぞれの学習集団があります。Ⅳ類には、サッカーと野球に重点を置く生徒が入学して来ております。それぞれ、県大会を制覇する志を以て、部活動に励んで下さい。女子バレー部は、このⅣ類に参加しておりませんが、県内ハイランクの実力を誇っております。私は、彼女らが、実力を誇る埼玉県を制覇することを楽しみにしております。
 サッカー部は、同じく県内に実力を誇るランクにあり、彼らが全県を制覇する日は遠くないと私は思います。野球部は、歴史的にベスト8を維持していた部であり、私は彼らが、甲子園に進出するであろうことを確信し、その努力に期待したいと思います。
 部活動は、我が国高等学校に必須のものであり、私は、それぞれの活躍、努力に大きな期待を寄せておりますが、同時に本校が進学校であることも、強く心にとめていただきたいと思います。
 本校には数多くの大学進学指定枠がありますが、諸君がどの大学に進学するかは、諸君の人生に極めて大きな影響を及ぼします。その意味で私は、指定校以外に、一般受験のための努力も大切にしていただきたいと思います。
 Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ類は大学進学に力点を置くコースであります。指定校という安易なコースをはじめから目指すのではなく、一般受験こそ大学進学の王道であることを自覚し、常に大きな志を失うことなく前進し続けていただきたいと思います。
 常々申し続けていることでありますが、人間に生まれついての能力差はありません。自己の可能性を固く信じ、スポーツ、文化、学習の面で、諸君がそれぞれの持つ無限の可能性を開花させて下さることを、私は心から祈念いたします。
 諸君の存在は、ご両親あってのものであります。ご両親がなければ、世の中に存在せず、ご両親の慈愛に基づく育成なければ、今日、中学や高等学校に入学するに至り得なかったものであります。まさに親の恩は、「海より深く、山よりも高い」と言うべきであります。
 本日の入学の、諸君の勇姿を、誰よりも見守り、祝福したいのがご両親であります。事情によっては、お二人揃っていない場合もあるかも知れませんが、その場合親の恩、ありがたさは一層深いものと自覚して下さい。
 近年、親の老後を施設にゆだねる傾向が増えておりますが、まことに残念なことであります。諸君が教育を受けるのは、何よりも諸君自身のためでありますが、同時にそれは、国家社会と親のためであることを、本日ここに深く自覚して下さい。
 本日は、このような事情で、市長様をはじめ、PTA役員の皆様、学園理事の皆様のご列席を頂くことができません。しかし、これらの皆様が、入学生全体の未来を、心から願って下さっていることを諸君は忘れてはなりません。
 ご出席を願えぬ状況で、勝手な申しようではありますが、私たち教師は、いかなる環境にあっても生徒の明日のため、全力を尽くします。しかし、学校にも落ち度があり、ご迷惑をおかけすることもないとは言えません。そのようなときは、どうか、日頃の努力に免じてご寛恕下さいますようお願い申し上げます。
 また、このような時代であればこそPTAは、一層その重要性を増します。PTA役員の選出もお願いしなくてはなりませんが、何卒ご協力賜りますよう、お願い申し上げます。
 入学式翌日から学校が休みであるなど、私の人生にも経験しなかったことであり、諸君の人生にも重ねてはないことであると思います。しかし諸君、嵐にめげることなく、しっかりと戦っていきましょう。

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